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扉絵
扉絵連載はタルト船の中で、ローラに会いたいと思い立つシフォン。
そんなシフォンを楽しそうに見守るヴィトとゴッティ。
ベッジはベッツの子守りで忙しそう…。
本編
さすがに倒れこんでしまうルフィ。
そこへやってきたキッド。
また戦(や)るのか、カイドウと。
キッドはルフィが今のような状況でもカイドウに立ち向かうのが気にはなっていた。
そんなキッドに、ルフィは共闘を持ちかける。
お前も一緒にやるか?
キッドはすぐさま返事をする。
バカか!!
おれの相棒がどうなったか、見ての通りだ…!
苦々しい思いをしながら言葉を発するキッド。
ホーキンスやアプーの裏切りもあり、同盟にはもううんざりしていたのだ。
もう誰も信じねェ!とルフィから離れていく。
今ここでお前を殺さねェことを、寛大だと思え!!
おれたちは自分の道を行く!!
そして、兎丼の外に出る門の前にいるキッドとキラー。
兎丼の中にある鉄の破片や武器などを能力で集め、細かい部品が神経一つ一つとなってキッドの左腕に成っていく。
門を破壊し、未だSMILEの影響で笑っているキラーと共に出ていってしまう。
行こうぜキラー。
仲間たちを取り戻しに!!
か、海賊だって!!!?
ワノ国、兎丼の囚人たちは、ルフィが海賊だということを知って一気に引いてしまう。
一旦は信用したルフィが海賊だと知りまたも信用できなくなる。
海賊のカイドウにやられていた過去があるため、思い出してしまうのだ。
かなりのトラウマだ…。
この麦わら帽子の男は、カイドウのような海賊だって言うのか!?
ああ!…いいや違う!
必死に弁明する雷ぞうとヒョウじい。
お菊と河松は状況を見て、黙っている…。
囚人たちの声はなおも高まる!
海賊を信用するなんてできないぞ!
いつおれたちのことを裏切るかもわからねェ!
他にも同盟で強い奴はいただろうに、なんで海賊なんかをここに連れてきたんだよ!!
頼むみんな聞いてくれ!
雷ぞうが必死に食い止める!
この世界には海賊はたくさんいるが、彼らはみな違うのだ!
ヒョウじいも、囚人たちをなだめるかのように…。
お前たちが麦わらの人のことを知れば、必ずわかってくれる!
麦わらの人はカイドウのような嘘つきではないし、むしろカイドウを倒すための鍵なのだ!
何と厄介な…士気は取り戻したものの、まだ十分なものではなかったか…。
ヒョウじいは少し落胆してしまう。
さらに、赤鞘九人男が過去から来たことも疑うようになってしまう囚人たち!
雷ぞう、あなたも本当に20年前の過去から来たって言うのか?
信じられない!!
あなたは前から老人のように見えていたぞ!
自然に老化したんじゃないのか??
この機会とばかりに何でも言ってしまっている囚人たちに雷ぞうはショック!
はあぁぁぁああ!?
お前たち、それはちょっとした侮辱じゃないか!?
ヒョウじいは辺りを見回すも…肝心のルフィの姿が見当たらない。
おかしい…どこに行ったのだ、麦わらの人!
たま…お前がここにいるのは危なすぎだろ…
ルフィは心配するも、お玉はあまり気にしていない様子。
ごめんアニキ、でも元気でいてくれてよかったでやんす!
そんなお玉にモモの助がツッコむ!
そなた、元気だなどと何を言っておる!
もう死にかけじゃないか!!
前回、何とか頑張って囚人たちの心をまとめたルフィ。
しかしウイルスは体を蝕み、へなへなに…。
死にかけたルフィ、そして周りで騒ぎながらルフィに近づくモモの助とお玉に怒るチョッパー。
おい、触るなよ!
すぐに抗体を見つけてあげるからな!
試験管などを出してすぐに研究を開始するチョッパー。
「効かねェ」なんて強がりやがって!
隠れてりゃ世話ねェよ!!
苦しいだろウイルス!!
なんで後先考えねェんだ!
おれに謝れ!!
怒りのチョッパーに、さすがのルフィも返す言葉もなし…。
ごめん…
苦じい…助けで…
干からび腐ってミイラのようになってしまったルフィは壁にもたれかかっていた…。
本当に…ルフィは馬鹿なのかもしれん。
だが非常に素晴らしい男でもある。
せっしゃには、ここまでのことをするなんてできなかった…。
モモの助は事の成り行きを見て、やはりルフィは凄い男だと感じていた。
しかし最初の言葉「馬鹿」がルフィの対抗心に火をつけた!
お前…
モモだって馬鹿だし、臆病者だし、弱虫だし、意気地なしだし…
全く役に立ってねぇじゃねぇか…
へなへなになっているルフィだったが、それでもモモの助に何倍もの文句を返していた。
当然、モモの助は激怒!
黙れ!横柄な野蛮人め!
何もそこまで言うことないだろう!!
モモの助がルフィに怒って殴りかかろうとするのをお玉が必死に止める!
ダメだよモモくん!アニキに触れたらモモくんも感染して…
このやりとりを見つつ、抗体を見つけようと集中していたチョッパーがキレる!!
出てけモモ!!
アイツらが待っているのはお前だぞ!!
大きな岩をぶん投げてモモの助を追いやった!
ぎゃああああああ!!!
お前バカか!せっしゃを殺そうとしたな、今!!
と、モモの助が出ていったのは、雷ぞうたちと囚人たちが言い合っている場所。
あ…、とモモの助はまだ心の準備ができていなかったのか、焦ってしまう。
しかし、そこで登場したモモの助により状況は一変!
あなたは…!!?
モモの助様……!!!
光月家の血が途絶えていなかったことを知り、涙があふれる囚人たち!
膝をつき、首を垂れ、頭を地面につけるかのように身を下げていく…。
仏様は我らを救ってくれた!
モモの助様は、生きておられたのだ!!
モモの助は、20年前の8歳の姿のまま。
雷ぞうには老け顔だのなんだのと言っていた囚人たちだが、モモの助の当時そのままの姿を見れば、過去から来たのだということを信じざるを得ない。
改めて、ワノ国はやはり変わるのだ、変えられるのだと信じていく囚人たち。
ヒョウじいは感じ取る。
彼らに足りないものが何なのか、分かった。
戦いのその先だ!
夢だ、未来だ!!
この戦いが終わっても、本当の意味で平和が訪れるのか不安だったのだ…。
その一方でモモの助は不安をも覚えていた。
ワノ国の囚人たちがモモの助を見て、気持ちを変えた。
それは、モモの助だけの力ではない。
モモの助の存在の裏にいる、父、おでんの姿が重なっていたからだ。
ワノ国を支え続けてきた光月家の大きな影が、モモの助を通して囚人たちには見えていたのだった。
モモの助は、囚人たちから大きな、そして重い気持ちを感じ取るも、ビビるな!と自分に言い聞かせる。
そして、恐る恐る伝えていく。
み…皆、聞いてほしい。
あの日、おでん城で何が起きたか…
せっしゃたちが今まで何をしていたか…
この言葉に一同は力強く答える。
はい!!
ここまでの様子を見て、安心した河松。
モモの助様はとても誇らしく成長なされたな…
安心した、これなら大丈夫だ。
だが雷ぞう、今他のところでわしは必要とされているのだ。
一旦抜けるが、間違いなく最後の戦いの前に皆と再会しよう!
この言葉に雷ぞうは、あいわかった!と承知する。
河松は一旦兎丼から離れていく…。
独自行動をとることになった河松。
必要としている者、とは誰のことなのか??
九里では酒天丸=アシュラ童子が、錦えもんとイヌアラシをある場所に連れてきていた。
これで20年だ。
不可能な物語を信じていたかのようだった…まるで、星に手を伸ばすかのように。
何て大変な行為だったのだ…
20年後に赤鞘九人男たちが戻ってくるという話が信じられないものが増えてきていた。
実際は、10年前においどんたちの緊張は最高潮に達していたのだ。
おいどんたちの仲間はしびれを切らして、もういてもたってもいられず、10年前、鬼ヶ島に行ってしまった。
そして一人残らず戦死し、命を落としてしまったのだ…。
錦えもんとイヌアラシが見たのは、幾数もの墓だった。
酒天丸は悔しそうな顔をしながら、過去を思い出す。
それは10年前のこと。
もう10年経ちました!と部下たちが一斉に酒天丸の元にやってきた。
我々も年を取った!20年待つなんて、その時にはもう体力が残っていないかもしれませんよ!
彼らが戻ってくるという保証なんてありません!
それでも、それでもまだ我々に、戻ってくると信じろと言うのですか!?
今にも攻めようという意思の固い侍たち。
その身なりはボロボロな者もいて、10年を必死で生き延びてきたことが伝わる。
10年前の酒天丸は、今のように眉が垂れやる気のない感じではなく、意志強く錦えもんたちを信じる義理堅い男だった。
アイツらを信じるんだ!
主君、モモの助様と共に、間違いなく戻ってくるから!!
しかし、10年前にしてワノ国は既にひどい状況だった。
兎丼などの工場から出る汚い空気、日照り続きの気候。
オロチに仕えることを拒んだ者には、ろくな食べ物がなかった。
このままでは我々は死んでしまう…。
戦う機会さえ得る前に、病気や飢餓で…。
更にカイドウの部下が、オロチに反乱した者たちの日常をも壊していった。
井戸を壊して飲み水を無くしたり、火を放って作物を燃やしたり。
ワノ国の侍たちは、既に心も体も限界に達していたのだ。
もう限界なんだ、頼む!!
酒天丸に、戦いの許可をくれと押し寄せていく侍たち。
しかしそれでも酒天丸は拒んだ。
止めてくれ!今戦いに行ってもお前たちは犬死にだ!
我々が光月の名のもとに多勢の軍を集めなければ、勝つことなどできん!!
だが、侍たちの気持ちは固く、涙を流しながら決意を伝えた。
止めないでくれ!
どうせ死ぬなら、刀を使って死なせてくれ!
侍らしく、死なせてくれ!
そして、モモの助が修行中に発していた、ゾロが伝えたという言葉「スナッチ」の意味が判明。
お前、覚えているか?子供の頃のこと…と酒天丸に問いかける一人の侍。
昔のワノ国、九里にて、度胸試しで良く叫んだ言葉があっただろうと。
人間は自分を大切にするからこそ、何か挑戦をするときにはビビってしまう。
その当時、九里の侍たちが挑んでいたのは、大きな崖の上から海に向かって飛び込むというものだった。
そんな風に怖いと感じているものに伝えてきた言葉。
その名前を捨てろ。
その知恵を捨てろ。
頭を空にして飛び込めば、何でもできる!
声をあげろ!!と刀を掲げる!
“捨名ーーーッ知(スナッチ)”!!!
捨てる、名前、知恵、の頭文字を取ったものだった!
この言葉を叫びながら、船で鬼ヶ島へと捨て身の特攻を仕掛けていく侍たち…。
ウォオオオオオオオ!!!
酒天丸は悔しくて悔しくて、涙が止まらない。
何故だ、何故信じてくれないんだ。
あと10年なんだ!あと10年…!
頼む、戻ってきてくれ!
お願いだ!!
戻ってくれ…!!!
そして現在。
戦死したすべての侍たちの墓を、静かに見る錦えもん、イヌアラシ、そして酒天丸。
何故20年かかったのだ…と酒天丸。
イヌアラシは、これが全て終われば、理解できると確信している、と独自の見解を伝える。
錦えもんは、最も確実な理由がある、と酒天丸に問うようにつぶやく。
一瞬考え、酒天丸は、主おでん様を疑うことなどできんからな…と自らの刀を掴む。
そして、その刀を掲げ、盗賊団の皆に向かって叫ぶ!
皆!集まれ!
8日後の火祭りの夜、光月の名のもとに鬼ヶ島へと向かい、今こそ復讐を遂げる時が来た!
海賊カイドウと将軍オロチを討つ!
決意を持つ者は、おいどんたちと共に来い!!
その言葉を待っていたかのように、盗賊団の全員が高らかに叫ぶ!
もちろんです酒天丸様!!
我々はこの日を長い間待ちわびていましたから!
主君康イエ様の死を無駄には絶対にしません!!
ウォオオオオオオオ!!!
アシュラ…!!とほっと安心する錦えもん。
酒天丸は、錦えもんに向かって言い放つ。
当時は同じくらいの力で年齢も同じだったが、この20年、より強くなるために我々は過ごしたのだ!
なぁイヌ!とイヌアラシに同意を求めると、その通り!とイヌアラシも笑いながら酒天丸の肩を組んできた。
いつの間にか仲良しになっている二人…。
少しイラっとした錦えもん。
黙れ間抜け共!
足を引っ張ったりしたら承知せんぞ!
その言葉を聞いた酒天丸が、貴様何と呼んだ!?といきなり取っ組み合いに!
わああぁぁ!赤鞘九人男が喧嘩をー!!と周りが止めることに…。
覚悟あるもの達と共に8日後の火祭りの夜に、鬼ヶ島へ討ち入りすることを決めた酒天丸、錦えもん、イヌアラシ!
一気に流れはワノ国、侍たちの追い風となるか!?
オロチの部下の忍者軍団、そしてお庭番衆の風刃をなんとか倒し、花の都の近く、白舞の森の奥にある閻魔神社まで来たゾロ。
白舞は秋の風土らしく、紅葉が散っている。
ゾロは、狂死郎とは決着がつかず、一旦退却することにしたようだ。
それよりも優先するのは日和を無事に守ることと考えていたゾロ。
ハァ…ハァ…これで何人倒した?
ゾロが聞くと、神社の襖が開き、日和が顔を出す。
すみません…私が邪魔をしてしまって…。
いや…大丈夫だ、心配するな。
お前に死なれてしまったら、モモの助に合わせる顔がなかったからな。
ただ、狂死郎にいとも簡単にあしらわれていたゾロ。
今の二刀流では自分の本気は出せない…。
やはり三刀流でなければ!
ゾロは決戦までに奪われた秋水を取り戻すことを決意。
あの雪の家に戻れるか?と日和に尋ねるゾロ。
上手く隠れて進めば、無事に辿り着けるでしょう、と日和。
それよりも心配なのはおトコ…無事だと良いのですが。
日和は、親友のおトコと逸れてしまったことを心配していた。
それなら大丈夫だ、おれの仲間と一緒にいるはずだ。
ゾロは日和を安心させる言葉をかける。
おれにとって重要なのは、刀を盗んだ男がいる場所に行く必要があることだ。
ゾロはこれからの行く先を伝え、日和はゾロの想いに応える。
私が必ず連れていきます、おいはぎ橋まで。
再び鈴後のおいはぎ橋まで日和に案内してもらうことにしたゾロ。
貴様に名刀「秋水」の価値など分からぬ!
あのとき牛鬼丸が吼えていた言葉が頭をよぎる…。
刀が三本無いと調子が出ないんだ。
最後の戦いの前に秋水は絶対に必要だ。
必ず…取り返してみせる。
そしてゾロは仰向けになり、一旦身体を休ませつつ、決意を伝える。
おれは…オロチを許せねェ。
トノヤスの仇は…必ず討つ。
つぶやくゾロだが、その言葉には日和も涙を浮かべながら、決めていた決意を伝える。
私も…私の手で、オロチを殺したいくらいです…!!と。
ゾロはそんな日和を見て何かを感じ取る…。
そして、花の都。
ホーキンスに問われるドレーク。
お前何をしていた?奇妙な行動だな…。
そんなことはない、さっさと済ませるぞ、とドレークがホーキンスに仕掛けるように促す。
ホーキンスも、仕事は簡単なものだと応える。
吐いてくれればすぐに終わる、とニヤリと笑うホーキンス。
なんと、ローがホーキンス、ドレークらに捕らわれてしまっていた!
ローの企みを全部吐かせようと試みるホーキンス。
ローたちと麦わらの一味は繋がっている。
このワノ国で一体何を企んでいるのか、全部喋ってもらうぞ!
血まみれで傷つき、おそらく海楼石の手錠もつけているローは万事休す。
しかし、ローは不敵な笑みを…
おれの相棒がどうなったか、見ての通りだ…!
苦々しい思いをしながら言葉を発するキッド。
ホーキンスやアプーの裏切りもあり、同盟にはもううんざりしていたのだ。
もう誰も信じねェ!とルフィから離れていく。
今ここでお前を殺さねェことを、寛大だと思え!!
おれたちは自分の道を行く!!
そして、兎丼の外に出る門の前にいるキッドとキラー。