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そこでは、サン五郎こと、サンジの客寄せの声が響いていた。
「「十八番(おはこ)そば」だよ――――!!サン五郎の「十八番そば」~~~!」
そんな彼の店は大盛況で、たくさんの客が賑わう中、
そこには、それぞれ潜入している麦わらの一味
ロビン・フランキー・ウソップが揃っていた。
「ルフィの情報はある?」
ロビンはそう聞くが、フランキーは「土地が離れてるから」と言い、
「決戦の日までには出てくるだろう」とさほど心配していないよう。
ウソップに至っては、久しぶりのサンジの料理をただただ堪能していた。
サンジも戻ってきてから、いつも通り。
蕎麦の感想をロビンにだけ聞き、ロビンが「最高」と微笑むのを、
目をハートにして対応していた。
ロビンは今、芸者に紛れ込んでいる。
その姿は、またサンジのハートを鷲掴みにしたようだった。
そんななか、突然店の近くで声が響く。
侍たちは、自分達に道を開けろと、
サンジの店に並んでいた女性たちを蹴散らしていた。
並んだ3人の侍は、居眠り狂死郎の部下であるカクさん・クニさん・スケさん。
彼らは、ここで営業するなら所謂”みかじめ料”を払えと、
サンジに要求してきたのだった。
しかし、サンジが自分は強いから払わない、と言って突っぱねる。
そんな様子を見ていたロビンは、自分が以前お座敷に上がった際にいた『狂死郎』のことを思い出し、彼が横柄な態度を取っていたことを語った。
そんな彼女たちの目の前で、サンジの屋台に蹴りを入れるカクたち。
作ったそばをぶちまけ、客のそばをはたき落とし、踏みつぶすなど、
傍若無人なふるまいをしてきた。
逃げ惑う客たち。
そんななか、食べ物を粗末にされたサンジは怒り心頭。
フランキーとともに、彼らに制裁をくわえて、倒してしまうのだった。
そんな彼らを見た街の人間たちは、彼らの強さに驚くとともに、
「これはマズイ」と口にしていた。
未だ怒りのおさまらないサンジは、落ちたそばを倒した部下に無理矢理食わせようとしていたところで、無事だった1人が「覚えていろ」と走り去っていく。
この騒ぎで、誰もいなくなってしまったサンジのお店。
しかし、ひとりのおかっぱの少女だけが、涙を浮かべながら笑い、
そこにとどまっていた。
彼女は、カクたちにそばを取り上げられ、
捨てられてしまった少女だった。
そんな少女に、サンジは残っていたそばを差し出す。
食べながら、やっとためたお金で買えるはずだったそばを、
彼らに投げ捨てられたのだと語る彼女。
少女は嬉しそうにそばをすすりながら、
「こんなにおいしいそばを食べた事が無い」と、笑いながら涙を流すのだった。
少女の名前はトコ。
彼女は自分の名前でくだらないダジャレを言って、彼らを大笑いさせる明るい子だった。
そんな少女と話すうち、彼女が”禿(かむろ)”と呼ばれる
遊郭に住む少女であることを見抜いたロビン。
しかし彼女は、そんなことを気にしていない様子で去っていった。
そうして残された4人は、彼女のことを話していたが、
そのなかで話に出た、花魁道中のことが気になる様子。
そこへ、師匠がロビンに朗報があったとやってきた。
そこで、彼女は「花魁」について説明をしてくれる。
ワノ国で「花魁」といえば、
スーパースターでスーパーアイドル。
この国では唯一「小紫」という女性だけがその称号を得ていた。
全ての男の夢であり、女性にとってもカリスマ的な存在なのだという。
「神にも落とせぬ気高さ」と言われ、小紫は女の「完全体」と言われていた。
今日はその小紫が、将軍のオロチのところへ行くため、
花魁道中がここを通るのだそうだ。
そしてロビンも、彼女の芸者としての活躍が目に留まったことで、お呼びがかかり、
オロチに会えることになったとのこと。
そうして街には花魁道中が通る。
小紫の美しさに、失神するものすら出るほどだった。
一方その頃、花の都「左京」。
そこではカクたちが、狂死郎に、サンジにやられたことを報告していた。
しかし、狂死郎は今日はオロチの所へ呼ばれていると言い、
「クイーン」に連絡を入れて、刺客を送らせるように言えと指示する。
そのころ、将軍黒炭オロチの姿が、障子越しに見えていた。
そんな黒炭オロチの影は、
頭がいくつもある、まさにヤマタノオロチのような姿。
そんな彼は、
「今日こそ小紫を落とす」と、笑い声をあげていたのだった。